睡眠の強い味方。自律神経を整える入浴法は?

私たちの呼吸や脈拍、消化など様々な活動を24時間調整してくれる自律神経
ところが、毎日起こる出来事で感じるストレス(無意識なものも多い)、肉体疲労、不規則な生活時間などによって、乱れやすい器官でもあります。この自律神経の乱れによって、睡眠障害、ほてりや冷え、動悸やめまいなど様々な不調が生じることが分かっています。
そんな自律神経のはたらきが“ある習慣”によって安定するとしたら…
やってみる価値はあると思いませんか?
自律神経を支える身近でなじみのある習慣。それは“入浴”です。温度などの簡単なポイントを抑えるだけで、揺らぎがちな体調を安定に導く助けになります。
自律神経を整え、ぐっすりと質の高い睡眠をとる為に効果的な入浴法をまとめます。

自律神経のバランス「交感神経」と「副交感神経」

「自律神経が乱れる」その時、身体はどういう状態になっているのでしょうか?
自律神経は、交感神経副交感神経という二つの作用によって成り立ちます。活動的な時には交感神経が活発に働き、逆にリラックスモードの時は副交感神経が優位になります。
心身へのストレスなどがきっかけとなり、自律神経の機能が妨げられると、交感神経が働きっぱなしになることも。そうなると夜になって「さぁ寝よう」と思っても、神経が活動モードのままなのでスムーズに眠りに落ちていくことが難しくなるのです。また交感神経と副交感神経の切り替わりがうまくいかないことで、脈拍や体温、呼吸など体の基本的な機能の不具合となって現れます。


自律神経の働きは、心の中で「リラックスしよう」「活発に動こう」などと思ってもその通りにコントロールできるものではありません。
そんな時に入浴をうまく活用することで、リラックスした副交感神経が優位な状況を引き出す効果を期待できるのです。

温度と時間が自律神経を整えるポイント

体の緊張をほぐし、筋肉がリラックス入浴法は、温度:ゆるま湯時間:じっくりと(10~20分)がポイントになります。


自律神経を整える入浴温度:ゆるま湯

温度は38~40度ぐらい(人間の体温よりも少しだけ高い温度)のぬるま湯が理想的
熱めの湯船に浸かるのが好きという方もいらっしゃいますが、40度を超えるお湯に浸かった場合、交感神経が刺激されしまうこともあります。交感神経が活発になると体が覚醒の方へ向いてしますので、安眠の妨げになります。
ぬるめのお湯につかることで、副交感神経の働きを引き出し、リラックスした状態に近づきます。


入浴温度:40℃を境に交感神経が刺激される


自律神経を整える入浴時間:じっくりと

体を温めることは、寝つきをよくするためにも効果的です。(眠りに落ちていく過程で体温が下がっていくため、寝付く時には体温が高い状態が望ましい)しっかりと体の内側を温めるためには、ぬるめのお湯に10~20分は浸かることが効果的です。あまり長く入ると体に負担がかかるので注意が必要です。
首まで湯船につかり全身を温める入り方と、半身浴で下半身から温める入り方を組み合わせることで、体への負担が軽減できます。

湯船でマッサージするのも効果的

湯船に入ると、その水圧でマッサージ効果が期待できます。
さらに腕や足を軽くマッサージしたり、首や肩を伸ばすなどのストレッチをおこなうと、血行が良くなり、自律神経を整えることに繋がります。ふくらはぎや腿の内側などリンパが流れる場所を押してみたり首筋や肩周りなど筋肉がこわばりがちな場所を、お湯に浸かって温めた状態でぐーっと伸ばすと、ほぐれやすく、血の巡りもよくなります。
日常的な入浴の時間に少し工夫を加えるだけで、一日の緊張がしっかりほぐれ、ぐっすりと眠れる体調へ近づけることができます。