夜トイレで目が覚める方。夜間頻尿は体の危険信号!?

私は寝つきも悪ければ、頻繁に目が覚めてしまうタイプです。考え事をしながら寝ていると、睡眠の途中でも思い出して起きてしまうこともあります。
これはこれで余り良くない習慣ですよね・・・。私の場合はトイレに行きたくなって起きる訳ではないのですが・・目が覚めてしまった時って、トイレに行ってしまう事ありませんか?
夜中にトイレで目が覚める方は、体から発せられる危険信号の現れかもしれません。チェックと自覚でカラダのメンテナンスを行っていきましょう。

夜一回以上のトイレは頻尿…?

実家などに泊まり、目が覚めてトイレに行くと、高頻度で母親や父親とトイレのタイミングが被ることもあります。「まだ起きてたの~」なんてお互い寝ぼけた無意味な会話を交わす程度ですが、翌日聞いてみると、毎日夜中は2~3時間おきにトイレに行っているのだとか。
「それって大丈夫なの?!」と心配になってしまいました。

父は「年だから寝つきが浅くて~」と良く私には理解できない理由を言い、母も「寒くて体が冷えているからトイレにいきたくなってしまうし、お茶をたくさん飲んだから・・・。」と何とも言えない見解をそれぞれ言っています。それだけで毎日トイレに2回も3回も起きるものなの?!と驚いてしまいました。
調べてみると意外に夜間頻尿で悩んでいる方って、多いんですね!

夜間頻尿という言葉があります。ご存知の方も多いと思いますが、夜間に1回はトイレに起きてしまう状態の人を指すようです。
泌尿器科学会の調べでは40歳以上の約7割近くの人が夜間頻尿に当てはまっているのだとか。夜間頻尿は定義の通り、夜中に“1回”以上なので、文字通り“1回”の人もいれば、母のように“2回~3回”の人もいます。70代、80代以上の方になると3回以上トイレに起きてしまう方が約6割(男性)になっていることも。。。夜間頻尿って意外に身近な問題だったんです。

もちろん、お茶やコーヒーなどに含まれるカフェインによる利尿作用の影響や、アルコールや飲み物を多く摂取した際(水分の過剰摂取)にトイレに良く行く事があることも事実です。私もビールを飲みすぎた際は夜中にトイレに起きてしまう事があります。
ただ、調査を進めていくと、もっと恐ろしい事がわかってきました。我が家のような自己判断で自分で納得し、頻尿を楽観視していませんか?

夜中に起きてしまう頻尿には恐るべき魔物が隠れている場合があるのです。

頻尿の原因とは?-体からの声なき悲鳴?-

そもそも人間は寝ている間は、尿を抑えるホルモンが出てくれるため、通常であればトイレに行きたいという衝動で目が覚める事がありません。夜間のトイレの回数は0回が適正なのです。
夜間頻尿を引き起こす原因は、生活習慣の改善で手軽に治りそうなものから、カラダの声なき叫びまで、人それぞれ多様にあるようです。ぜひこの機会にチェックしてみてください。

塩分の摂りすぎによる夜間頻尿

食生活を見返してみてください。無意識に塩分の多い食生活になっていませんか?ジャンクフードを多く食べる若い方、生活リズムが不規則な方、夜のお付き合いがあるサラリーマンの方に多い傾向にあります。カラダの中から塩分を排出しようとして、頻尿を引き起こすこともあるのです。塩分の多いお菓子、食事、そして飲んだ後のラーメンやお茶漬けは控えましょうね。

冷えによる頻尿

寒いとトイレが近くなる~というのは、ただの迷信だけではありません。カラダの冷えは巡りを悪くさせます。それは腎臓などを含め内臓も一緒に冷えているのです。すると、尿をつくってくれる腎臓機能も通常よりも効率が悪くなってしまうので、結果的に排尿障害を引き起こすのです。この手の頻尿はちょっとしたカラダを冷やさないような工夫で改善するようです。腹巻や衣服などの工夫や布団の見直し、暖房器具の適切な使用で、ぽかぽか睡眠をとってみてください。

睡眠障害による夜間頻尿

加齢とともに眠りが浅くなり、風の音などのちょっとした音で目が覚める方が多いようです。このような睡眠障害は、加齢や心因性に原因がある可能性があります。このような日常的な睡眠障害は慢性化する事が多く、日中の生活に支障を及ぼす事もあるとか。心配事やストレスなどの一時的なものであれば時間が解決してくれることもありますが、慢性的にお悩みの方は、泌尿器科の受診をお勧めします。

過活動膀胱による夜間頻尿

男性にも女性にも見受けられる原因の一つです。排尿行為にも筋肉を要します。普段はなかなか意識しない筋肉ですが、私たちの毎日にとって欠かせない筋肉ですね。“排尿筋”と呼ばれている筋肉ですが、この筋肉が過剰に活動する事で頻尿が引き起ります。少量の尿しか溜まっていなくても尿意を起こしてしまうという現象です。高齢の方に多く見られ、加齢とともに症状も悪化する方も多いようです。最近ではテレビでも取り上げられ、CMでもサプリや漢方などを良く見かけます。ドラッグストアでも販売されて手軽に試せるようになってきましたね。サプリや漢方を試してみてはいかがでしょう。もちろん泌尿器科への受診もおすすめします。

糖尿病による夜間頻尿

だんだんと病名が出てきました・・糖尿病の方はご存知の通り、血液中の“血糖値”の数値が高いので、カラダがそれを排出しようとします。喉が渇きやすくなり、その結果水分の摂取量が多くなり、頻尿を引き起こしてしまうのです。

心不全による夜間頻尿

記事の上の方で、「夜は尿を抑えるホルモン(抗利尿ホルモン)が出ている」という事をお話しました。そのため、通常はトイレに行かないようにヒトのカラダはできているのです。
心不全の状態では心臓の機能自体が低下していますね、正常な血液の循環ができないという事です。その為心臓に血液がうまく戻っていかず、“足がむくみやすい”というのも心臓疾患の方の特徴です。
それでは、寝る際に横になるとどうでしょう。下肢から上がってこられなかった血液が、カラダを横にする事で心臓の方に戻ってくるのです。そうなると、心臓としては「血液過剰」と判断し、カラダから排泄する事を促すように「利尿ホルモン」を増やし、尿意を催させるという事なのです。

夜になるとトイレが近いといっても、心不全が隠れているなんて…これは恐ろしいですね。


セルフチェックと自覚で医療機関に相談を

色々な原因について書いていきましたが、実際自分が何に当てはまっているか、よくわからない事も多いと思います。生活習慣の見直しで改善する場合から、危険度が高い心疾患まで。
安易な自己分析でなく、適切に医療機関へ相談する事が最悪の自体を防ぐ近道かもしれません
ここでおすすめするポイントとしては、現在話題の「おしっこ日誌」をお勧めしたいと思います。1日、24時間のうち、何時にトイレに行ったかという事を細かくメモしてください。できれば数日分あると尚良いと思います。
頻尿の原因というのは、病院で検査しても断定できない事がある程です。お医者様に相談する際に「おしっこ日誌」をもって行くと、手掛かりの一つとなるでしょう。

たかが頻尿、されど頻尿。自己判断で片づけず、早期相談が快眠への近道です!